修理補修について
屋根カバー工法をわかりやすく解説!特徴とメリット・デメリット
屋根の劣化が進んでいると、屋根塗装のメンテナンスでは補修がまかないきれない場合があります。
葺き替え工事で屋根を一新するやり方もありますが、現在は「屋根カバー工法」と呼ばれるリフォーム方法もよく選ばれるようになりました。
「屋根カバー工法」は、葺き替え工事に比べて工数が少なく施工費用も安価です。
工期も短かったり、遮音性がアップしたりするなど、メリットが盛りだくさん。
ただ、魅力が多い一方で、施工不可な屋根材があるなどデメリットも存在します。
そこで今回は、神奈川県横浜市・川崎市で外壁屋根塗装を手がける「浜翔ペイント」が、以下について詳しく解説しました。
・屋根カバー工法の特徴
・屋根カバー工法のメリットとデメリット
・屋根カバー工法の費用相場
新築から年数が経っていて、屋根全体の劣化が気になるという方におすすめの内容です。
ぜひ参考にしてください!
屋根カバー工法の特徴
まずは、屋根カバー工法の特徴についてご説明していきます。
屋根カバー工法とは?
「屋根カバー工法」とは、すでにある屋根材の上に、ルーフィングと呼ばれる防水紙と新しい屋根材を被せるリフォーム方法のことを指します。
新しい屋根で既存の屋根材をカバーするため、カバー工法という名前がつきました。
屋根材自体の耐用年数が過ぎていると、いくら屋根塗装を施しても屋根の耐久性を保つことができません。
カバー工法は、「下地はそこまで傷んでいないけど、屋根全体は劣化している」というご家庭におすすめのリフォーム法です。
既存の屋根材は残しておくため、撤去費用などがかからず、往来の葺き替え工事よりも安く施工できるのが人気の秘訣。
工期は5日程度と、短い期間で済ませられるのも特徴です。
カバー工法の手順
屋根のカバー工法は、以下のような手順で行います。
- 足場を設置する
- 棟板金・貫板・雪止め金具を取り外す
- ルーフィング(防水紙)を屋根全体に敷く
- 新しい屋根材を設置する
- 棟板金・貫板・雪止め金具を設置する
足場を設置したら、屋根の頂上部分にあたる「棟板金」と、その下地である「貫板」を撤去します。
落雪事故を防止するための「雪止め金具」が設置されている場合は、それも取り外します。
次に、防水性を保つために、既存屋根の表面全体にルーフィング(防水紙)を敷いていきます。
新しい屋根材を葺いて、再度棟板金や雪止め金具を施したら工事は完了です。
カバー工法のメンテナンス時期
カバー工法を施した屋根のメンテナンス時期は、20〜30年後が一般的です。
「カバー工法に用いた屋根材の耐用年数が次回のリフォーム時期」と考えると良いでしょう。
こまめにメンテナンスを施すことで、屋根材の持ちの長さも変わってきます。
色褪せやヒビなど、普段と違う点を見つけたら、その都度業者による修理補修を行いましょう。
カバー工法が可能な屋根
カバー工法は、以下のような屋根に施工できます。
- 金属屋根
- アスファルトシングル
- スレート屋根
瓦屋根には施工ができないので、和風建築にお住まいの方は注意が必要です。
「葺き替え工事」と「カバー工法」の違い
屋根の「葺き替え工事」は、既存の屋根を取り払い、野地下や防水紙といった下地を修繕した後、新たに屋根材を設置します。
元からある屋根の上に屋根を葺くカバー工法と違い、一度屋根を撤去することが大きな違いです。
屋根を撤去する手間や、廃材処理費が必要になるため、カバー工法に比べると施工価格は高めになります。
ただ、屋根を取り払うことで下地もしっかりメンテナンスできるため、屋根の内部まで腐食している時は葺き替えによる工事が有効です。
屋根カバー工法のメリット5選
ここからは、カバー工法をするメリットを5つ紹介していきます。
①葺き替え工事より安価
先ほども述べたように、カバー工法は往来の葺き替え工事よりも安い値段で施工ができるのが魅力です。
廃材として出るのは棟板金や貫板のみで、屋根材の撤去費用がかかりません。
葺き替え工事よりも50〜100万円ほど安い価格でリフォームできるため、下地が傷んでおらず安価に済ませたい方におすすめのやり方です。
②短い工期で完了する
カバー工法は、葺き替え工事よりも工数が少ないため、短い期間で完了します。
カバー工法と葺き替え工事にかかる期間の目安は、以下の通りです。
- カバー工法→ 5日程度
- 葺き替え工事→7〜10日程度
施工する屋根の形状や天候によって必要な日数は異なりますが、葺き替え工事の半分ほどの期間で工事が完了するのは魅力です。
工事中は常に職人の出入りがあり、資材や駐車のためのスペースも必要です。
工期の長さをストレスに感じる方には、カバー工法をおすすめします。
③遮音性・断熱性が向上する
カバー工法でリフォームすると、屋根が既存屋根材と新しい屋根材の二重構造になるため、遮音性がアップします。
遮音性が低い金属屋根の弱点をカバーできるのが魅力です。
また、屋根が二重構造になることで外気が家の中に伝わりにくくなるのもポイント。
夏の熱気や冬の冷気が屋内に入り込みにくくなり、断熱性も向上します。
エアコンの使用頻度も抑えられるため、節電にも一役買ってくれますよ。
④工事中の騒音・埃が控えめ
カバー工法は、葺き替え工事に比べて工事中の騒音が控えめです。
屋根を撤去する工程がないため、撤去の際に使用する電動工具の音が発生しません。
また、屋根材の撤去の際に埃が発生しやすいのですが、その心配がないのもメリット。
ご近所トラブルを心配される方にも、うってつけです。
⑤アスベスト含有屋根材でも対応できる
カバー工法は、アスベストが含まれた屋根材に施工する際も、特別な処置が必要ありません。
2004年以前のスレート瓦には、有害とされるアスベストが含まれています。
アスベスト含有の屋根材は、撤去に特別な作業が必要なため施工価格が高めです。
カバー工法であれば、アスベストが含有されている屋根材でもそのまま施工ができます。
アスベスト含有屋根材の撤去費用が高いとお悩みの方にも、もってこいの方法です。
屋根カバー工法のデメリット5選
メリットの次は、屋根カバー工法のデメリットについても解説していきす。
カバー工法による施工を希望されている方は、ぜひこちらもチェックしてください。
依頼してから、「こんなはずではなかった」と後悔してしまうのを防ぐことができますよ。
①屋根全体が重たくなる
カバー工法は、既存屋根の上に新しい屋根材を重ねるため、どうしても屋根全体が重たくなってしまいます。
屋根が重たくなると、家屋全体の重心が高くなるため、地震の際の揺れが大きくなり家屋に負担がかかりがちです。
耐震性を心配される方は、軽さに特化した金属屋根材を選ぶと良いでしょう。
②瓦屋根には施工できない
カバー工法は、基本的に瓦屋根の家屋には施工できません。
平らな屋根でないと新しい屋根材を被せられないため、波形をしている瓦屋根には対応できないのです。
また、瓦自体に重みがあるため、その上からさらに新たな屋根材の重さが加わると、家屋に負担がかかってしまいます。
瓦屋根を使用されている方は、葺き替え工事を検討するようにしてください。
③2回目の施工は不可
カバー工法を1度行うと、繰り返しカバー工法による施工をすることはできません。
2回目もカバー工法を施すと、屋根全体が重たくなり過ぎてしまいます。
そのため、カバー工法をした後に屋根リフォームを行う際は、基本的に葺き替え工事による対応になると考えてください。
葺き替え工事はカバー工法よりも施工費用が高くなるため、屋根材の耐用年数を伸ばせるよう、屋根塗装などのこまめな修理補修を行うことをおすすめします。
④下地が腐食していたら施工不可
屋根材の下地にまで劣化が進行していたら、カバー工法によるリフォームは行えません。
カバー工法は既存の屋根材をそのまま残しておくため、下地の補修ができないからです。
下地が腐食したままカバー工法を行なっても、雨漏りなどのトラブルは解決できないため注意してください。
腐食を放置すると、ますます劣化が進行し、家屋全体のダメージに繋がりかねません。
カバー工法を依頼する際は、下地の状態もしっかりと点検してもらいましょう。
屋根の下地の傷みがひどいようであれば、葺き替え工事に切り替えるようにしてください。
⑤太陽光パネルがあると難しい場合も
屋根に太陽光パネルを取り付けている場合は、カバー工法による施工を断れてしまう場合があります。
太陽光パネルは、屋根材にドリルで直接穴を開け、架台と呼ばれる支えを取り付けて固定します。
カバー工法で二重構造になった屋根に穴を開けて太陽光パネルを設置すると、固定が不安定になってしまう恐れがあるのです。
太陽光パネルをお持ちでカバー工法によるリフォームをご希望の方は、事前に工事が可能かどうか業者に確認するようにしましょう。
屋根カバー工法の費用相場
屋根カバー工法にかかる費用は、35坪の一般的な戸建て住宅で100〜150万円ほどが相場となっています(足場代を含む)。
葺き替え工事には150〜200万円ほどかかるため、両者を比べるとカバー工法の方がかなりお得です。
施工費用の詳細は、使用する屋根材のグレードや、屋根面積、屋根の形状などによって変わってきます。
また、価格設定も業者によって異なるため、見積もりは2〜3社に依頼するのがおすすめです。
お住まいの地域の適正価格が分かるだけでなく、対応の早さや丁寧さなど、サービス面も同時にチェックできますよ。
まとめ
今回は、「屋根カバー工法の特徴」について詳しくお伝えしました。
既存の屋根材を残したまま新しい屋根材を被せるカバー工法には、以下のようなメリットがありました。
- 葺き替え工事より施工価格が安め
- 工期が短い
- 遮音性・断熱性の向上が期待できる
- 工事中の騒音や埃によるストレスが少ない
- アスベストを含む屋根材でも施工可能
一方で、使用する屋根材によってはカバー工法でリフォームすると屋根全体が重たくなってしまうというデメリットもありました。
カバー工法には、なるべく軽い屋根材を使用するのがおすすめです。
また、瓦屋根や下地が腐食している屋根には適していないので注意しましょう。
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