修理補修について
屋根の漆喰を修理するタイミングは?|補修方法と気になる費用相場
瓦屋根の瓦の耐用年数は50〜100年ほどと非常に長く、メンテナンスフリーと言われることもあるほどです。
しかし、屋根の頂上部分にある棟に施されている「漆喰」は、10〜20年で劣化するため、適切なタイミングで手入れが必要となっています。
本記事では、神奈川県横浜市・川崎市で外壁屋根塗装を手がける「浜翔ペイント」が、「瓦屋根の漆喰の修理」について詳しく解説しました。
・漆喰のメンテナンスの必要性
・漆喰によく見られる劣化症状
・漆喰の補修方法
について分かりやすくご紹介しています。
気になる漆喰の修理費用の相場や、修理のNG行為についてもご説明しているので、ぜひ最後までチェックしてください!
瓦屋根の「漆喰」とは?
「漆喰」は、瓦屋根の頂上に積まれている「棟瓦」の下部に見える、白く塗られた器型の箇所のことです。
瓦屋根特有のもので、金属屋根やスレート屋根には見られません。
漆喰は、消石灰(水酸化カルシウム)に、糊や繊維を混ぜて、水で練り上げて作ります。
和の趣があるのが特徴で、屋根だけでなく外壁や床にも使用されています。
瓦屋根における漆喰の3つの役割
漆喰には、以下の3つの役割があります。
- 棟瓦の隙間を埋める
- 葺き土を雨から守る
- 小動物や虫の侵入を防ぐ
棟瓦の下には、瓦の隙間をふさぐように葺き土が施されています。
葺き土は野地と瓦を馴染ませる役割があり、瓦を固定するために必要不可欠な存在です。
しかし、葺き土は水に弱く、漆喰で塗り固めることで防水性を保つ必要があります。
また、漆喰を施すことによって、隙間がしっかりと密閉されるため、ネズミや虫などの生き物が屋内に入り込むのを防ぐ効果もあります。
漆喰の修理が必要な理由
瓦自体の耐用年数は50〜100年と長く、瓦自体のメンテナンスは必要ありません。
しかし、漆喰は10〜20年ほどで劣化してくるため、必ず定期的な修理を施す必要があります。
漆喰が劣化しても、すぐに雨漏りに直結することはありませんが、屋根全体の強度を保つためには、適切なメンテナンスが必要不可欠です。
漆喰が劣化する原因
漆喰が劣化する原因には、以下のようなものがあります。
- 紫外線
- 風雨
- 寒暖差
- 地震による衝撃
- 強風 など
劣化の原因は実にさまざまですが、特に雨水が棟瓦の内部の葺き土にまで及ぶと、葺き土が乾燥した際に縮んで、漆喰の表面にひび割れが生じやすくなります。
漆喰の劣化を修理しないとどうなる?
漆喰の劣化を修理せず、長期間放置してしまうと、漆喰の表面にできたひび割れから雨水が入り込みやすくなってしまいます。
雨水が侵入すると葺き土が流れ出して痩せてしまうため、棟瓦が歪んで隙間が生じ、雨漏りが発生する原因に。
また、漆喰のかけらが雨樋に詰まって不具合を引き起こすことも考えられます。
漆喰が劣化することで、棟瓦を固定する力が弱くなるため、地震の際にダメージを受けやすくなるというデメリットも。
雨漏りや棟瓦の崩れなど、漆喰の劣化が進行すればするほど、修理は大掛かりなものになります。
こまめにメンテナンスをすることで、修理費用を抑えることができるので、新築から10年経ったら漆喰の様子を点検しましょう。
なお、屋根に登って自分で確認するのは、落下の恐れがあり大変危険です。
点検は、必ず修理業者に依頼するようにしてください。
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漆喰によくある5つの劣化症状
ここでは、漆喰によく見られる代表的な劣化の症状を5つ取り上げました。
ひとつずつ詳しくご説明していきます。
①表面のひび割れ
漆喰の表面に「ひび割れ」が入るのは、劣化が始まっている証拠です。
経年で表面が朽ちるだけでなく、地震や台風による衝撃によっても生じます。
ひび割れが入っただけでは、すぐに棟に影響が出ることはありません。
しかし、ひび割れを放置していると、劣化が進んで欠けてしまうことがあるため注意が必要です。
②表面が欠ける
表面のひび割れがひどくなると、漆喰が剥がれて表面が「欠け」てしまいます。
漆喰が剥がれると、見た目が悪くなるだけでなく、屋根の表面にもポロポロとした塊が落ちるようになります。
漆喰が欠けたところから雨水が入り込みやすくなるため、表面の欠けが複数箇所見られたら、修理を依頼するようにしてください。
③葺き土が流れ出る
漆喰の劣化が進んで、棟の内部に雨水が侵入すると、棟瓦を支える「葺き土」が流出するように。
葺き土は水をよく吸収するため、放置していると屋根の内部にも雨水が侵入しやすくなります。
雨漏りを引き起こしかねないので、茶色い土が屋根の上に流れ出ていたら、プロによる修理補修を受けましょう。
④棟瓦のズレ
漆喰が傷んで葺き土が流出すると、棟瓦が支えられなくなり「ズレて」しまいます。
棟瓦がズレた箇所から雨水が入り込むだけでなく、棟のすぐ側にある瓦が抜け落ちやすくなるため注意が必要です。
地震や強風で被害が大きくなることもあるため、棟瓦がズレているのを見つけたら、早急に対処しましょう。
⑤表面の苔・カビ
棟瓦の内部に雨水がたくさん入り込んでいると、漆喰に「苔・カビ」が生えて、表面が緑黒く変色します。
外観を損ねてしまうので、表面に苔・カビが生えたら、メンテナンスで綺麗にすることをおすすめします。
漆喰を修理する方法
漆喰の修理には、大きく以下の2つがあります。
- 漆喰の詰め直し
- 棟の取り直し(積み直し)
それぞれについて詳しく解説していきます。
①漆喰の詰め直し
「漆喰の詰め直し」は、漆喰のひび割れや欠けなど、劣化の状態が軽い場合に行うやり方です。
既存の古い漆喰を全て取り除いて、新しい漆喰に塗り替えます。
作業は、以下のような流れで行うのが一般的です。
- 古い漆喰を綺麗に取り除く
- 掃除する
- 棟瓦にズレが生じていたら綺麗に整える
- 新しい漆喰を塗り込める
工期は棟の長さにもよりますが、1日で終了するのが普通です。
棟全体の補修だけでなく、気になるところだけを部分的に修理することもできます。
②棟の取り直し(積み直し)
漆喰の傷みが進んで、棟が歪んだり崩れてしまったりしている場合は、「棟の取り直し(積み直し)」を行います。
表面の漆喰だけを綺麗にする「詰め直し」とは違い、瓦を全て撤去して、新しい葺き土を施し、再度棟瓦を積んで漆喰を塗り直します。
棟全体の修理と考えると良いでしょう。
作業は、以下のような工程で行います。
- 既存の棟瓦と熨斗(のし)瓦を撤去する
- 葺き土を撤去する
- 新しい葺き土を施して土台を作る
- 熨斗(のし)瓦を積み上げる
- 棟瓦を上に被せる
- 熨斗(瓦)の下から針金を通して棟瓦を固定する
- 漆喰を塗りこんで最終仕上げ
瓦に大きな破損がなければ、再利用することが可能です。
漆喰の詰め直しよりも工事が大掛かりなため、3〜5日ほど時間を要します。
漆喰の修理費用の相場
漆喰の修理費用は、棟の長さと修理をする範囲によって変わります。
修理費用の相場の目安は、以下の通りです。
- 漆喰の詰め直し→3,000〜7,000円/1m
- 棟の取り直し→10,000〜20,000円/1m
漆喰の詰め直しの場合、漆喰は棟の両側にあるため、単価の倍の価格になります。
例えば、10mの棟の漆喰を詰め直す場合、倍の20m分作業するという計算です。
1m5,000円と仮定すると、「5,000円×10m×2倍」で100,000円の費用がかかることになります。
また、どちらの修理方法でも、足場代が別で20万円前後かかるのが一般的です。
修理の価格は、施工する範囲や漆喰の劣化状況によって大きく異なります。
実際に依頼する際は、2〜3社に相見積もりを取ると適正価格が分かりやすいのでおすすめです。
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漆喰の詰め増し(重ね塗り)は厳禁
漆喰を補修する際に、古い漆喰を取り除かず、既存の漆喰の上から新しい漆喰を「詰め増し(重ね塗り)」するのは厳禁です。
既存の漆喰のヒビや欠けはそのままの状態になっているので、隙間が十分に埋まらず、塗り直した漆喰がすぐに剥がれ落ちてきてしまいます。
漆喰を重ね塗りをすることで、厚みが出過ぎるのも問題です。
漆喰が厚すぎると、熨斗(のし)瓦よりもはみ出すことになるため、風雨に晒されやすくなります。
雨による劣化スピードが早まって、新たなひび割れや欠けが生じる原因に。
また、熨斗(のし)瓦から流れてくる雨水が塗り重なった漆喰にせき止められることで、上手に流れ落ちなくなってしまいます。
雨漏りが発生しやすくなって、かえって屋根が傷む原因となるため、業者に重ね塗りを提案されたら必ず断るようにしてください。
屋根修理の訪問営業には注意が必要
屋根修理の業者がアポなしで訪問営業に訪れたら、悪徳業者でないか疑うようにしてください。
訪問営業を行う全ての業者が悪徳というわけではありませんが、中には点検と称して屋根に上がり、わざと瓦をずらして修理を提案する者もいます。
また、漆喰に軽度のヒビが入っているだけなのに、「今すぐ修理をしないと雨漏りするかも」と不安を煽ってくるケースも。
「今日契約をすると足場代が無料になる」
「すぐに修理補修をしないと大変なことになる」
などと言い、即決を迫る営業マンは間違いなく悪徳業者です。
「自分ひとりでは決められない」などと言い、即決はせず一度帰宅してもらいましょう。
契約するまで無理に居座ろうとするようであれば、「警察を呼ぶ」などと毅然な態度で対応してください。
まとめ
今回は、瓦屋根の「漆喰の修理」について詳しく解説しました。
屋根の漆喰は10〜20年前後でさまざまな劣化症状が現れるようになるため、定期的なメンテナンスが必要です。
以下のような症状が見られたら、業者に修理補修を依頼するようにしてください。
- ひび割れ
- 欠け
- 葺き土の流出
- 棟瓦のズレ
- 苔やカビ
傷みがひどくなる前に補修を行うことが、屋根のメンテナンス代を節約するコツです。
ひび割れや欠けが見られるようになった段階で、業者に相談をすると良いでしょう。
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