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屋根塗装について

屋根塗装で欠かせない“縁切り”の役割とは?

屋根塗装で欠かせない“縁切り”の役割とは?

屋根塗装を行うと、見た目がきれいになるだけでなく、防水性や耐久性も回復します。
しかし実は、塗装だけでは屋根を守りきれないことをご存じでしょうか?
特にスレート屋根の塗装では、「タスペーサー」という小さな部品の有無が、
屋根の寿命を大きく左右する重要なポイントになります。

今回は、タスペーサーの役割や必要性、設置しない場合のリスクについて、専門的な視点からわかりやすく解説します。

1. タスペーサーとは?スレート屋根の“呼吸口”を守る小さなパーツ

タスペーサーとは、スレート屋根の重なり部分に差し込む部品のことです。
サイズは数センチ程度と非常に小さいものですが、屋根全体の通気や排水を保つための大切な役割を果たします。

スレート屋根は、薄い板状の屋根材を重ねて施工する構造になっています。
本来、屋根材の重なりにはわずかな隙間があり、そこから雨水や湿気を逃がす構造になっています。
ところが塗装をすると、この隙間に塗料が入り込み、塞がってしまうことがあります。
その隙間を確保し、屋根が正常に“呼吸”できるようにするための部品が、タスペーサーなのです。


2. なぜタスペーサーが必要なのか?“縁切り”が持つ本来の意味

塗装を行うと、屋根の表面だけでなく、重なり部分にも塗料が流れ込みます。
塗料が乾くと、屋根材同士が密着し、隙間がなくなります。
これを防ぐために行う作業を「縁切り(えんきり)」と呼びます。

昔は、塗装後にカッターや皮スキを使って手作業で縁切りをしていました。
しかしこの方法は、作業時間がかかり、塗膜を傷つけるリスクもありました。
その問題を解決するために登場したのがタスペーサーです。

タスペーサーを使うことで、塗装後でも一定の隙間を確保できるようになり、
塗装の仕上がりを損なうことなく、縁切り作業が確実に行えるようになりました。


3. タスペーサーを使わないと起こるトラブル

もしタスペーサーを使用せず、屋根材の隙間が完全に塞がれてしまうと、
屋根の内部ではさまざまな不具合が起こります。以下はその代表的な例です。

💧 雨水の排出不良

雨が降るたびに屋根材の下に少量の水が入り込みますが、本来であれば隙間から排出されます。
しかし隙間が塞がると、雨水が抜けずに屋根内部に溜まってしまうのです。
時間が経つと、水が下地に染み込み、野地板や防水シートを劣化させます。

🌿 毛細管現象による逆流

隙間がなくなると、水が毛細管現象で上方向に吸い上げられることがあります。
これにより、通常では入り込まない場所まで水分が達し、雨漏りの原因になります。

🏚 屋根裏の湿気・カビの発生

屋根内部の湿気が逃げ場を失うと、屋根裏の結露・カビ・腐食が発生します。
放置すれば断熱材や木材が傷み、結果的に大規模修繕が必要になるケースもあります。

こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、タスペーサーによる“隙間確保”は欠かせません。


4. タスペーサーの施工手順とタイミング

タスペーサーは、塗装工程の中でも下塗りが終わった後、中塗り前のタイミングで設置します。
塗料の密着を邪魔せず、適切に隙間を確保できる位置に差し込むのがポイントです。

🔧 施工の流れ

  1. 高圧洗浄で屋根を清掃

    汚れやコケ、古い塗膜をしっかり除去してから塗装を開始します。

     

  2. 下塗り(プライマー塗布)
    屋根材と塗料を密着させるための下塗りを行います。

     

  3. タスペーサー設置
    1枚の屋根材に対して2か所程度、適切な位置にタスペーサーを差し込みます。

     

  4. 中塗り・上塗り仕上げ
    隙間を確保した状態で塗装を重ね、均一な防水塗膜を作ります。

     

タスペーサーは、屋根1枚あたり2個前後、1棟で数百〜千個単位になることもあります。
この数を正確に管理しながら施工することで、屋根全体のバランスを保ち、
通気と排水の両立を実現します。


5. タスペーサーのメリット

✅ 雨漏り防止

雨水の逃げ道を確保し、内部への浸水を防ぎます。

✅ 屋根の通気性向上

湿気を逃がし、屋根裏の結露を防ぐことで、木材や断熱材の劣化を防ぎます。

✅ 塗膜の長持ち

隙間が確保されていることで、塗膜が浮いたり剥がれたりしにくくなります。
結果的に、塗装の寿命が延びるのです。

✅ メンテナンスコスト削減

タスペーサーを使用することで、雨漏りや腐食による再施工を防ぎ、
長期的に見ればコストパフォーマンスが非常に高い工法といえます。


6. タスペーサーが不要なケースもある?

一部の屋根(たとえば金属屋根や瓦屋根)は、構造的に通気が確保されているため、
タスペーサーの設置は必要ありません。

またスレート屋根でも、二重葺き(カバー工法)の場合や、
新しい屋根材で隙間構造が異なるものは、施工方法が異なる場合があります。

そのため、タスペーサーを使用するかどうかは、現地調査を行い、屋根の構造や状態を見て判断することが大切です。


7. まとめ:タスペーサーは屋根を長持ちさせる“見えない守り神”

タスペーサーは、見た目こそ小さな部品ですが、屋根を長持ちさせるための極めて重要な役割を担っています。
縁切りを正しく行うことで、雨水の排出・湿気の逃げ道が確保され、
塗装の防水性能を最大限に活かすことができます。

屋根塗装を検討されている方は、ぜひ業者に「タスペーサー施工は含まれていますか?」と確認してみてください。
この一言が、あなたの家を雨漏りから守る第一歩になるかもしれません。

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